(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年16/17日付)

EU大統領、ブレグジットの「大幅延期あり得る」との見解示す

欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長(右)と英国のテリーザ・メイ首相。エジプト・シャルムエルシェイクで開かれた会談の様子(2019年2月24日撮影、資料写真)。(c)Francisco Seco / POOL / AFP〔AFPBB News

 欧州共通の歴史書の物語ほど、かつてないほど厄介な英国と欧州連合(EU)の関係を見事に描写するエピソードはないだろう。

 EU加盟国からそれぞれ1人の歴史家が選ばれ、1章ずつ書くよう委託された。

 ところが英国人の歴史家が、エリザベス朝の海の英雄で1588年にスペイン無敵艦隊を撃破したサー・フランシス・ドレイクのことをスペイン人の歴史家がただの「海賊」として片づけたと文句をつけた後、プロジェクトは頓挫した。

 経済政策、人の移動の自由、国家主権、欧州統合の適切な度合いをめぐる論争が、英国がEU離脱へ向かっている主な理由だとよく言われる。

 しかし、ぶつかり合う伝統や誤解、偏見、無知、そして全くの嘘が、英国が1973年に当時の欧州経済共同体(EEC)に加盟したほとんどその日から、英国のEU加盟がいつつまずいてもおかしくない石ころだった。

 時折、英国はやられる側に立っていた。

 フランスのジャック・シラク元大統領はかつて、ドイツのゲアハルト・シュレーダー元首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領を相手に英国人に関するジョークを披露し、「料理があれほどまずい国のことは、とにかく信じられない」と言ったことがある。

 しかし、英国人の側もそれなりに愚弄や暴言を繰り出してきた。