・文政権は北朝鮮からの脱走者たちの組織に対して、北朝鮮への批判を抑制させる圧力をかけるようになった。

・その圧力の実例としては、過去20年も続けられてきた脱北者の組織への公的資金援助を打ち切ったこと、風船などを使った北朝鮮への政治文書散布を中止させるようになったこと、警察当局が脱北者団体を頻繁に訪ねて財政状況などを調査するようになったこと、などが挙げられる。

・文政権は、脱北者たちとその団体に対して、文政権の北朝鮮への融和・関与政策を公開の場で批判しないよう厳しく要求するようになった。

 以上のように国務省報告書は、文政権の脱北者に対する要求や圧力を「言論や表現の自由という基本的な人権の抑圧」であると断じていた。

 また、米国メディアの3月17日の報道によると、国連の北朝鮮に対する制裁措置を監視する調査委員会が3月中旬、韓国政府の“不正”を報告した。韓国政府が2018年中に北朝鮮に提供した合計300トンの石油関連製品の移転を、同委員会に届け出なかったというのである。

 この石油関連製品は朝鮮半島の南北合同の経済プロジェクト用で、北朝鮮への経済制裁の違反とはならないが、その提供の届け出は国連の規定で義務づけられていた。韓国政府はこの規定に違反したというわけだ。

 文在寅大統領はこのように同盟相手の米国だけでなく、国連からも違反行為を指摘され、内外で批判を浴びるようになった。