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(英エコノミスト誌 2011年2月26日号)

世界は日本の銀行のことを忘れ去った。欧米と中国の銀行家は、その記憶を呼び覚ますべきである。

名声の失墜は数あれど、日本の銀行のそれほど激しいものはない。1980年代後半、邦銀は世界最大級の金融機関であり、カリフォルニア州の銀行システムから印象派の絵画まで、あらゆるものを手に入れた。

 10年後、邦銀は世界の笑いものとなっていた。日本経済に深刻な打撃を与えた大量の不良債権を抱え込み、トップには世界有数のグズとして知られる経営者たちが君臨していた。

 汚名の後には無名が続いた。現在、大方の金融関係者はゴールドマン・サックスについて何らかの見解を持っている。日本以外の国では、ほとんどの人は日本の3大メガバンクである三菱UFJ、三井住友、みずほの名前を覚えようとさえしない。

 このような無知は賢明ではない。というのも、邦銀が持ち直しただけではなく、邦銀の経験が、打撃を受けた欧米の銀行と、今や世界の金融業界ランキングで上位を占める中国の巨大銀行にとって教訓を秘めているからだ。

 日本の3大銀行は、資産規模で世界の上位30位以内に入っている。国内ではいまだにお粗末な利益しか上げていないものの、先の信用危機を利用して海外事業を拡大した。三菱UFJフィナンシャル・グループはモルガン・スタンレーの株式を取得し、米国の小売銀行の経営権を獲得した。

 三井住友フィナンシャルグループはM&A(企業の合併・買収)を手がけやすくする狙いもあって、ニューヨーク証券取引所に株式を上場した。日本で第6位の規模を誇る野村ホールディングスは、リーマン・ブラザーズの欧州・アジア事業を買収した。

 野村は苦戦しているように見えるが、日本の金融業界が再び海外での事業拡大を図る動きは続くだろう。その動きが最も顕著なのがアジアの新興国だ。アジア新興国では現在、邦銀の融資額が1997年に記録した前回のピークを上回っているが、その融資モデルは以前よりいくらか安全なように思われる。

 邦銀はアジア新興国で少しずつ動いている。これらの国での融資の原資を確保するために現地で預金を獲得しており、それも日本の顧客だけに頼るのではなく、現地の顧客を獲得している。その成果には目を見張るものがある。

 三菱UFJのアジア新興国における融資残高はJPモルガンの3倍に上り、その3分の2が日本以外の借り手によるものなのだ。

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