(英エコノミスト誌 2019年3月9日号)

英労働党首、EU関税同盟残留の新提案へ 否決なら再度の国民投票を支持

ベルギー・ブリュッセルの欧州委員会を後にする英国の最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首(2019年2月21日撮影)。(c)Aris Oikonomou / AFP〔AFPBB News

ジェレミー・コービン党首は、政府をリードするチャンスを逃し続けている。

 ままあることだが、テリーザ・メイ英首相が窮地に立たされている。配下の議員や保守党はおろか、自身の内閣をもほとんど掌握できていない。

 ジェフリー・コックス法務長官がアイルランドのバックストップ(安全策)から解放される魔法のような措置を携えてブリュッセルから戻ってこない限り、首相は12日の2度目の議会採決で自身の欧州連合(EU)離脱協定案を否決され、3月29日の欧州連合(EU)離脱期日の延長を求めることを余儀なくされる。

 野党・労働党にとってはチャンスのはずだ。ところが多くの意味で、ジェレミー・コービン党首はメイ氏以上に多くの問題を抱えている。

 最大の問題は党内の内部分裂だ。

 さかのぼると2016年6月に、労働党議員の8割がコービン氏のリーダーシップに不信任を表明していたことを思い出すといいだろう。

 最近では、そのうち8人が離党し、「独立グループ(TIG)」と呼ぶ会派を立ち上げた。以来、議員がもう一人離党している。

 新会派は保守党議員3人を引き込み、さらに多くの離反が約束されているが、支持は主に従来労働党を支持してきた有権者から得られるように思える。

 世論調査が、本格的な政党の結成に動くTIGが15%前後の支持率を獲得していることを示すなか、労働党に対する保守党のリードは2ケタに広がった。