デジタル時代に対応する富士通の取り組み

バイモーダル人材と2階建て経営で日本企業のDXを支援

JBpress/2019.3.18

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富士通株式会社 シニアフェロー 宮田一雄氏

※本コンテンツは、2019年3月1日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2019 <春> ~デジタル変革によるイノベーションの実現~」での講演内容を採録したものです。

DXの実現には「バイモーダル」の人材調達が必要

 富士通は通信事業からスタートし、コンピューター事業、SI事業へと軸足を移してきました。2000年頃から変革の波、市場の成熟化などの影響を受け、売り上げは減少しました。デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れの中で、お客様が自らプラットフォーマーとなる、あるいはサービス提供者となる動きが加速し、SIerは中抜きされる時代です。新しい価値を生み出さないと、デジタル化の波に飲まれてしまうという危機感を強く持っています。

 日本の現状を見渡すと、ガートナーの調査では約2割の企業がデジタルビジネスの取り組みで先行していますが、残りは情報収集、PoC(概念実証)の段階にとどまっています。なぜかと言うと、0から1を生み出すようなデジタル人材が不足しているからです。日本ではユーザー企業側にITエンジニアが少ないため、デジタルビジネスの推進のためには、外部のITベンダー、SIerに頼らざるを得ません。一方、欧米ではユーザー企業側にITエンジニアがいるので、自社でどんどん変革することができます。両者の違いは人材流動性の問題も関係しています。

 デジタルビジネスでは、かつての基幹システムのような強固な情報システムはいりません。クラウドサービスなど、既存の技術を自在に組み合わせることで、新たな価値やサービスを提供していきます。当然、システム開発に必要な人材像も変化しています。ウォーターフォール型のプロセスでしっかり問題を解決するというやり方ではなくて、仮説を定義して、やってみて、高速に回転する、アジャイル型の進め方ができる人材です。それぞれの企業において「バイモーダル」で人材が必要になります。

 “モード1”は、われわれのようにきっちり決まったことをしっかりやるという人材。一方、新しいDXの時代に、最新のテクノロジーを使い、データを分析して、それをフィードバックして、どんどん変化していく、新しいことにチャレンジをしていくような人材が“モード2”です。既存の企業はどちらか一方ではなく、バイモーダルで人材を調達する必要があり、そこに難しさがあると痛感しています。

2つの行動様式“バイモーダル”が必要|出典:ガートナー足立氏の資料をもとに作成
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