まだ22歳の貴景勝だけに、これから先も順調に成長し続けていけば稀勢の里のような人気日本人力士となる可能性は十分あるだろう。だからこそ、このようなくだらない“貴乃花アレルギー”にとらわれず日本相撲協会や親方衆の面々には貴景勝を公正な目で見て欲しいと切に願う気持ちでいっぱいである。

横審が大横綱・白鵬を異常に批判する理由

 逆風にさらされている力士は他にもいる。横綱白鵬だ。

 春場所直前には二所ノ関一門の連合稽古を訪れて貴景勝、先場所優勝の玉鷲を圧倒。存在感を示しているが、横綱審議委員会からの受けは相変わらず良くない。現役時代の稀勢の里を再三にわたって庇い続けながらも、白鵬には何かと手厳しい対応を貫く横審は相撲関係者の間で無双横綱にとっての「天敵」とまでささやかれている。

不祥事続出から再建目指す相撲界、3横綱が奉納土俵入り

明治神宮で奉納土俵入りに臨む横綱白鵬(2018年1月9日撮影)。(c)AFP/Toshifumi KITAMURA〔AFPBB News

 日本相撲協会の関係者は、このように打ち明けた。

「日本人横綱としてスター力士に祭り上げた稀勢の里が引退に追い込まれたことで横審は今後間違いなく、白鵬へ厳しい目を向ける。北村正任前委員長は今年1月で退任したが、新任の矢野弘典委員長も2012年7月から横審のメンバーに名を連ねている人物。だから従来通り、横審の“アンチ白鵬”の姿勢は不変で、むしろポスト稀勢の里となるべき日本人横綱を生み出しやすい環境を作り出すため、何とか白鵬に身を引く決意をさせようと今後粗探しをしていくつもりのようだ。とにかく横審の面々は白鵬の取り口、立ち居振る舞いなどすべてにおいて毛嫌いしているらしいからね」