(英エコノミスト誌 2019年2月23日号)

「黄色いベスト」運動、仏経済に大打撃 小売りや観光にも影響

仏パリ・シャンゼリゼ通りで、黄色いベストを着て抗議デモに参加する人々(2018年12月8日撮影)。(c)Eric FEFERBERG / AFP〔AFPBB News

表現される憎しみの強さは1930年代を彷彿させる。

 エルベ・ベルヴィユ氏はフランスのブルターニュ地方で少年時代を過ごした。周りを見回しても黒人の子供は自分だけということが多かったが、本人の弁によれば、人種差別を経験することはほとんどなかった。

 1994年のルワンダ虐殺の際にフランス人夫婦の養子になり、長じて経済学者になった同氏は2017年、エマニュエル・マクロン大統領の政党から出馬して国民議会(下院)の議員になった。

 昨年、殺してやると印字された手紙が議会の事務所に届いた時には、ゴミ箱に投げ捨てた。

 しかし先月、彼が「マチェーテ(長刃の鉈)から逃がれた」ことを悔やむ同様な手紙が届くと、声を上げることを決意した。

 「あの手紙は非常に暴力的だった」と同氏は言う。雰囲気も変化していた。「脅しと、その脅しに基づく行動との境界が狭くなっている」。

 フランスで「ヘイト」の風潮が現出している。

 その標的はユダヤ人、ジャーナリスト、富裕層、警官、国会議員、大統領と様々で、どうやら標的同士につながりはなく、次から次へと移り変わっているようだ。

 ベルヴィユ氏の場合のように暴力を振るうぞという威嚇だけのこともあり、同僚議員2人(いずれも黒人)も同じ脅迫状を受け取った。