“直販”投信のメリット・デメリットとは

運用哲学による商品選びが広がる契機になるか

小島 淳/2019.2.28

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 投資信託の直接販売(直販)が今後じわじわと増えていきそうです。投信の直販とは、投信の運用会社が銀行や証券会社などの販売会社を通さずに個人投資家へ投信を直接販売すること。当然のことながら、販売会社へ支払う販売手数料(交付目論見書では「購入時手数料」)がなくなる、つまりノーロードになることが多くなります。

 2015年から直販を行ってきた三井住友アセットマネジメントは、従来のバランス型とインデックス型に加えて日本株式のアクティブ型投信を新規設定して直販ラインナップに加えました。三菱UFJ国際投信もインデックス型を中心に直接販売を始めるという報道があります。

 投資家にとっては良い流れのようですが実際どうなのでしょうか。

尻つぼみになった大手運用会社中心の通信販売

 投信の直販は、いまに始まった流れではありません。1990年代後半にも大手運用会社を中心に行われていました。当時の直販はインターネットではなく、電話や郵送による通信販売が中心でした。インターネット経由での直接販売になったのは、ここ10年くらいのことです。

 大手運用会社による投信の直販(通販)はすぐに尻つぼみになってしまいました。その理由をひとことで言うと「投信市場の未成熟さ」というところでしょうか。当時の投信は証券会社がプッシュして初めて売れる商品。個人が自ら投資を学習するための情報も購入手段も整備されておらず、商品の種類も限定的だったからです。

 そんななかで、当時から少しずつ直販で残高を伸ばしてきたのが、金融機関系列ではない“独立系”運用会社の投信です。1999年に設定された「さわかみファンド」(さわかみ投信)が独立系運用会社による最初の直販投信。以降、セゾン投信(2007年)、レオス・キャピタルワークス(2008年)、コモンズ投信(2009年)、鎌倉投信(2010年)などが続きました。各社は現在も直販を続けています(一部の投信は金融機関でも取り扱いがある)。