ここでひとつ自問していただきたいことがあります。「自分は合理性をとことん追求した資産運用を20年、30年と続けることができるだろうか」ということです。長い運用期間中には、資産価値が上がったり下がったり、自分の生活環境にも変化が生まれるでしょう。そのような長い時間のなかで、いつも合理的かつ冷静な判断を下し続けることができるでしょうか。

飽きずに長期投資を続けるために

 筆者自身は難しいと考えています。資産運用にもどこかに小さな楽しみ、面白さを見出さないと長く続けることはできそうにありません。属人的な性格の問題なのかもしれませんが。

 コア・サテライト戦略などという大げさな考えではなく、インデックス投信やETF(上場投資信託)による資産運用を続けながら、ごく少額で特徴的な商品にも投資する。それが運用の楽しみになって長期投資に“飽きない”効果が期待できるなら、それはそれでアリなのではないかと考えています。

 ストレス学説を提唱した生理学者のハンス・セリエ博士は「ストレスは人生のスパイスである」と述べました。資産運用を楽しくするスパイスとしてアクティブ投信を活用するのも、よいかもしれませんね。