中国国際輸入博開幕 習主席、演説で輸入拡大の努力強調

2018年11月、「中国国際輸入博覧会」でスピーチをする習近平国家主席(資料写真)。(c)ALY SONG / POOL / AFP〔AFPBB News

(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国共産党理論誌の「求是」最新刊に、習近平総書記が昨年(2018年)8月に行った司法に関する演説が改めて掲載された。党内に向けた演説を再び今、強調する意味はなんだろう。

 そもそもこれは誰に聞かせるメッセージなのか。考えられるのは3つだ。国際法規に中国は違反していると批判する米国はじめ西側国際社会。中国の習近平と敵対する憲政主義者や司法官僚ら。そして、香港。

 習近平の目指す“法治国家”宣言の意味を解析してみたい。

「共産党が法だ」と改めて宣言

「求是」で掲載された習近平の演説「党の全面的な法治国家の指導」の内容をかいつまんで紹介しよう。もとは昨年8月4日の中央全面依法治国委員会第1回会議で行われた演説である。この中で習近平は「党は法よりも大きい」という本音を包み隠さずぶちまけている。

「共産党の指導制度化、法治化、党の指導こそが党と国家事業の発展にとっての如意棒のようなものだ」といい、「全面的法治国家とは、党の指導力を弱めることではなく、むしろ強化し改善するもので、党の法治への指導力と水準を高めて、党の執政地位を確固としたものにする」という。

 さらに「法治が盛んになれば、国が栄え、法治が国を強くする」といい、強国化と法治が密接な関係にあるとする一方で、「全面的に法治国家を推進するならば、自己にふさわしい法治の道を行くべきだ」「決して別の国のモデル、やり方をまねしてはならないし、西側の言う“憲政”“三権分立”“司法独立”の道を行くことはできない」と強調。「西側の“司法の独立”は、もとは王権抗争から始まっており、西側の政治体制、歴史と伝統、社会文化制度に根づいている。中国共産党には“一切の権力が人民に属する”という政治制度であり、西側と違うのだから、西側を参考にできないのは当然なのだ」と述べた。

 また「中国は世界に向かっており、大国の責任と国際事務をもって法治をよりよく運用せねばならない。対外闘争において、法律という武器を持って、法治制度の高みを占領し、破壊者、攪乱者にあえて向き合い、ノーと言う。グローバルな統治システムがまさに変革調整期の重要な時期を迎えており、中国は積極的に国際ルールの制定に参加し、グローバル統治の変革プロセスに参与し、推進し、リーダーシップをとるものとなるのだ」と宣言した。