勤めている書店を退職することに決め、読書傾向に「今後の身の振り方を考える」要素が満載の今日この頃。頭で考えていることが、如実に行動に現れることをあらためて認識する。ということで、今回はラクをしてお金が手に入らないかなという、希望的観測のもとに手にした3冊を紹介します。

cis 『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』

 PCの前に座るだけ。終業は15時きっかり。楽そうに見える職業の最右翼、投資家。そういった印象をもってしまうのは私だけであろうか。しかし、その代償としての精神的疲弊は、きっとものすごいのだろうと推測する。

 いまの日本では、「資産形成は当然やるべき」という空気ができつつある。終身雇用は過去の遺物となり、国の管理する年金も当てにならない。自己責任という言葉が、さまざまな局面で都合よく用いられる世の中になったのは、小泉政権の時代からだったであろうか。

 それまでの「老後のモデル」は瓦解し、大多数の人は将来に不安を感じているに違いない。かくいう私もその一人だ。失業目前。国民年金保険料免除・猶予手続きを申請するタイミングを現在検討中である。少子化によって、先々の給付金額の減額は目に見えているだろうし、リターンが期待できるかどうか怪しいものだ。

 そういった個人的な現状と見解はさておき。本屋の店先で見ていると、帯にある「230億円稼いだ」という宣伝文句に反応して、本書を手にする人は多い。額が額だけにものすごいインパクトだ。最初の数ページをパラパラとやるとこうある。