圧巻のイニエスタ、超一流の証明

 さて、イニエスタ選手の動きです。杉本さんのトレーニングでは足を回したり、サイドステップをしたり、色々な動きの中で姿勢を意識させていくのですが、イニエスタ選手はどのような動きをしてもまるでブレません。股関節とお尻の辺りで全て足を操作できているので、上半身など、無駄なところに力が入ることなく、常に自然体が保たれています。ビジャ選手も同様に素晴らしい動き方をしていましたが、彼らが超一流であることはそんなところからも見て取れました。

 練習の内容に関しては、基本的にスペイン人のコーチ・イニーゴさんとホルヘさんが指揮をして行われていました。リージョ監督はその所々で指示を出し、練習の合間には選手たちと積極的にコミュニケーションを取っていきます。プレーを止めたり、長々と説明を加えたり、といったことはほとんどなく、選手たちにボール回しやゲーム形式の練習の中で、自然に必要なプレー原則を獲得していってもらう意図があるように感じました。

 そのプレー原則とは、角度をつけることや動き出しの順番、タイミング、見ておくべきスペース、パスの長短のリズム。「こういうときにこうしよう」という決まり切ったものではなく、状況に即して選手たちがより良いプレーを選んでいくための判断基準を与えるものだと思いました。

 2日目も杉本さんのトレーニングの後は、ボール回しにフィジカル要素の強いシュートトレーニング。そして最後はフリーマン(編集部注:常にボールを保持する側の味方になる選手)のいるゲーム。リージョ監督のトレーニングは全て一貫したイメージ、いわゆるプレーモデルから構築されていることが感じられました。

 ここから試合が始まり「対相手」が出てきたときにどういう姿をピッチに見せてくれるのか。ヴィッセル神戸が今シーズンのJリーグを盛り上げてくれるクラブになることは疑いようのない事実ですが、その歩みが俄然楽しみになりました。