(英エコノミスト誌 2019年2月9日号)
米ミシガン州イプシランティで開かれた会議で、ゼネラル・モーターズのメアリー・バーラ最高経営責任者(左)の隣で話すドナルド・トランプ米大統領(2017年3月15日撮影)。(c)Nicholas Kamm / AFP〔AFPBB News〕
成長減速は輸出主導の経済モデルの帰結だ。
ドイツの輸出力が実に目覚ましいことから、他の国々は製品はもとよりその政策までも輸入したがっている。
フランスは先日、東どなりの国に触発された労働改革法案を可決・成立させた。英国の政治家は、ドイツの職業訓練制度のコピーを度々試みている。
遠く離れた国も近くにある国も、ドイツのミッテルシュタント(中小の製造業者)をまねようとしてきた。
ドイツのもの作りの技(わざ)は新興国、とりわけ好景気に沸いた中国から切望され、2007~08年の金融危機からの早期脱出に寄与したうえに、その後ユーロ圏を飲み込んだソブリン債務危機のショックを和らげることにもなった。
そのドイツが今、ユーロ圏の景気を減速させつつある。
ドイツの2018年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率はマイナスに落ち込んだ。第4四半期も若干のプラス成長にとどまった模様だ。
2018年通期のGDP成長率は前年比1.5%で、前年実績の同2.2%より小さく、ユーロ圏の平均を下回る(下図参照)。
確かに、夏には新しい排ガス試験が自動車生産にブレーキをかけたし、ライン川の水位が低いために製品の出荷が遅れた。
