10年以内に米国からHIV撲滅目指す、トランプ氏が野心的プラン発表

米上下両院合同会議で一般教書演説を行うドナルド・トランプ大統領(2019年2月5日撮影)。(c)Doug Mills / POOL / AFP 〔AFPBB News

(舛添要一・国際政治学者)

 2月5日、トランプ大統領は議会で一般教書演説を行った。その評価は立場によって異なるが、分断されたアメリカを一つにまとめることの難しさを再認識させられる内容であった。

 昨秋の中間選挙の結果、下院の多数派を民主党に握られるという「ねじれ議会」となり、「国境の壁」建設予算が認められず、政府機関の一部閉鎖を招いてしまった。壁の建設は、トランプの公約の重要な柱であり、保守派の支持を失わないためには妥協ができないテーマである。一方、民主党にとって壁はアメリカという多様な社会の理念に反するものであり、反対せざるをえないし、その予算を老朽化したインフラ整備に当てるべきだと主張する。

 2月15日には暫定予算が失効するため、それまでに民主党との間で調整ができなければ、再び政府機関の閉鎖の余儀なきに至る。一般教書では具体的な打開策は示されなかったが、この壁の建設問題こそ、まさに今のトランプ政権の置かれた困難な状況を象徴している。

米中首脳会談の「予定はない」?

 確かに、経済は好調であるが、米中摩擦の影響もあり、それがいつまで続くかは定かではない。保護政策は、一時的に貿易赤字の削減に寄与するかもしれないが、世界経済全体を縮小させ、それはアメリカにも跳ね返ってくる。米中通商協議が行われているが、3月1日までに中国との間で満足のいく解決策が見いだせるかどうかで、今後の政策の展開が変わってくる。

 一般教書で、米朝首脳会談が2月27日と28日にベトナムで行われると表明した。またトランプ大統領は「予定はない」としているが、同時期に米中首脳会談も開かれる可能性も残されている。もし、トランプと習近平のトップ会談が実現した場合は、両国の貿易協議がまとまるか否かが最大の注目点である。

 さて、まずは米朝首脳会談であるが、アメリカが求める完全で検証可能な非核化に北朝鮮が応じる可能性は低い。北朝鮮は第1回首脳会談以降、ミサイル発射や核実験を行っていないが、その「善行」の見返りとして経済制裁解除や経済協力支援をアメリカに求めてくるだろう。そして、トランプ政権はこの要求に一部応える用意があると観測されている。