日本において市場間でこうした格差が生じるのは、そもそも市場への上場目的が本来とはズレていることが原因と考えられる。

 株式市場への上場は、本来、資金調達を目的として行うものであり、一流企業になったことに対する「ご褒美」ではない。だが日本では「1部上場企業」という触れ込みがないと学生が集まらないなど、奇妙な風習があり、1部上場が目的化してしまっている。

 上場企業が内部留保ばかり蓄積し、積極的に投資をしないのは、経済の先行きに悲観的なことだけが理由ではない。上場する理由がそもそも資金調達ではないため、ハナからお金を使う気がないというケースが多いのだ。

 こうした企業は本来、上場する必要性がなく、諸外国であれば間違いなく非上場を選択しているだろう。聞こえがよいからという理由で上場するような企業を放置しておけば、当然だが、市場の信頼性は低下する可能性が高い(というよりも、すでに国際的に見て日本の株式市場の地位は悲しいまでに低下している)。

 そもそも日本の場合、諸外国と比較して上場企業の数が多すぎる。

 東証1部の時価総額は約600兆円、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は2700兆円と4倍以上の開きがあるが、ニューヨーク市場に上場している企業数はわずか2400社しかない。少なくとも1部上場の時価総額基準を高くすることは必須といってよいだろう。

マザーズは世界で最も簡単に上場できる市場の1つ

 新興企業向けのジャスダックとマザーズについては、区分の違いが不明確という問題が浮上していた。ジャスダックはもともと店頭市場(取引所を介さずに証券会社や金融機関などの店頭で証券や商品を売買する市場)を起源としており、東証が運営していた市場ではない。一方で、マザーズは新興企業に特化する目的で東証が設立したものである。