「教師に対する教育とサポート」は非常に重視されており、同レポートが全体5章構成となっている中で、第4章で取り上げている。もちろんヨーロッパといえども、国によって多少の強弱はあるのであるが、いわばその上澄みをすくうとすれば次のようになろう。

「起業力教育を学校で効果的に実施するためには、教師が重要な役割を担う。起業力教育においては、知識よりもおそらく態度や振る舞いがより重要となる。・・・生徒が多かれ少なかれ受け身になる伝統的な教育方法で教えることは難しく、現実世界から実践的な学習機会を活用するような、アクティブで、学習者が中心となるやり方が必要となる。・・・このような変化に適応するには、教師自身が教育を受ける仕方を大々的に変える必要がある」

「すべての見込みのある教師が、起業力教育を教える訓練を受けなければならない」

「欧州委員会が採用した広義の起業力教育によれば、起業力教育を教える教師には、次の5つのスキルが必要であると思われる。
 ・プロジェクトベースのアプローチ
 ・教科書に加え、ケーススタディの活用
 ・学際的なアプローチ
 ・グループプロセスおよびグループ間の相互交流
 ・(教えるのではなく)コーチとして振る舞う」

「見込みのある教師が起業世界の現実に触れるのには、2つの方法がある。
 ・外部のステークホルダーを招く
 ・企業、社会的事業やNGOを訪問」

「必要な能力を発展させるためには、学習を継続することが重要」

「起業力教育の実施をサポートするためには、ガイドライン(学習スキーム、レッスンプラン、先進事例、ケーススタディ)の策定、教材の作成、専門センターの設置、(先進的な教師と新規参加者との間のネットワーキングの機会を提供する)教師のネットワークの設置が必要」

 読んでいて非常に共感を覚える。というか、既に第4回以降、幾度となく説明してきた私の教育改革に対する考えと、ほとんど同じなのに驚いている。