(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年2月1日付)

EU、英との再交渉否定 離脱協定案の変更めぐり

英首都ロンドンの首相官邸を出る英国のテリーザ・メイ首相(2019年1月30日撮影)。(c)Daniel LEAL-OLIVAS / AFP〔AFPBB News

 筆者は本稿で、英国のパートナーである欧州連合(EU)諸国に対し、決まり悪さを覚えながらも一つだけお願いをしようと思っていた。

 ブレグジット(英国のEU離脱)の期限が目前に迫った段階にあっても、EU加盟27カ国は英国議会のドタバタを大目に見るべきだ。友好的な別離――あるいは、理想的には再度の国民投票での心変わり――にはそれだけの価値がある、と。

 しかし、もともと弱かった筆者の決心は、テリーザ・メイ首相の急旋回であっさり崩れた。これではもう、EUが英国をただ放り出しても許されるだろう。

 保守党内のブレグジット強硬派を受け入れるメイ首相の行動は、そのシニシズムにおいて息をのむばかりだった。

 首相はつい数週間前、EUとの離脱協定案における英国・北アイルランドとアイルランド共和国との国境の扱いについて固い決意を示していた。

 ところが今では、自らの党の偏見に合うよう、この扱いを書き換える努力をすると約束している。

 アイルランド島の平和の礎となっているベルファスト合意はどうなるのか。

 どうやら、それよりもボリス・ジョンソン氏やジェイコブ・リース・モグ氏といった離脱派を懐柔することの方が重視されているようだ。