その結果、UMCはJHICCへの技術協力を大幅に縮小することになった。これにより、JHICCへ協力する約300人のUMCの技術者に対して人員削減が通知され、約140人が配置転換される(2019年1月5日付日経新聞より)。

 米国から製造装置の供給を止められ、頼りにしていたUMCの技術協力も寸断された中国のJHICCは、PC用DRAMの立上が頓挫してしまった。

 要するに、米国による中国への攻撃の圧力は、中国に協力する台湾企業にも及んでいるのである。したがって、ファーウェイ向けスマホ用プロセッサの受託生産を行っているTSMCにも、米国から「ファーウェイの受託生産を止めろ」という圧力がかかる可能性がある。

日本にとって対岸の火事ではない

 TSMCがファーウェイのプロセッサの受託生産を続けられるかどうかという問題は、日本のエレクトロニクス企業にとって、対岸の火事ではない。

 というのは、ファーウェイ製のスマホには、ソニーのCMOSセンサ、ジャパンディスプレイの液晶パネル、東芝メモリのNANDフラッシュメモリをはじめ、日本製の電子部品が数多く使われているからだ。ファーウェイと取引のある日本企業は、2018年に80社を超え、その規模は6800憶円に達するという(飯田耕司、SankeiBiz、2018年12月18日、)。

 TSMCや日本のエレクトロニクス企業など、ファーウェイのサプライヤーに対して、米国がどのような圧力をかけてくるのか? 米国の出方次第では、ビッグビジネスが消滅する可能性がある。米国の挙動から目が離せない。

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