しかし、果たして、その計画は本当に実現するだろうか? 筆者は、ファーウェイの計画は、そう簡単には実現できないと考えている。以下で、その根拠を示したい。

中国半導体産業の課題と対策

 半導体の地域別市場を見ると、2000年のITバブル以降は、日米欧の先進国の市場が停滞しているのに対して、アジア市場が急成長していることがわかる(図1)。このアジア市場には、中国市場が含まれているが、2005年以降は中国のみの半導体市場データが出始めた。それによれば、2007年以降、中国市場が世界最大となり、その後も猛烈な勢いで市場規模が拡大している。

図1 半導体の地域別市場
出所:日経XTECH(ソースWSTS)およびIC Insightsのデータを元に筆者作成


 その結果、2005年に世界シェア18.5%だった中国市場は、2017年に33.5%に増大している。つまり、世界の半導体の3分の1以上を中国が消費していることになる。

 この第1の理由は、人口約14億人の中国が経済発展を遂げ、PC、スマホ、デジタル家電など、半導体が搭載されている製品を大量に購入するようになったことにある。第2の理由としては、従業員130万人を擁するEMS(受託製造サービス)の鴻海(ホンハイ)が、世界の約9割のPC、スマホ、デジタル家電を組み立てており、それには大量の半導体が必要となったことが挙げられる。

 このように、中国は大量の半導体を必要としている。しかし、2017年時点で必要な1380億ドルの半導体のうち、その自給率はわずか13.4%(185億ドル)しかない(図2)。残り86.6%の1195億ドル分は輸入に頼っており、これが中国の貿易赤字の最大の元凶となっている。

図2 半導体の地域別市場
出所:日経XTECH(ソースWSTS)およびIC Insightsのデータを元に筆者作成