3.むかし観たSF映画の世界が現実に

スマートホーム

 スマートホームについては、テレビコマーシャルなどで見たことがあるだろう。外出先から、施錠するスマートロックをはじめとして、点灯やエアコンをつける、お風呂を沸かすなどの作業をテクノロジーを使って一元的に可能にするサービスだ。

「スマートホームとは、家電製品や電気等のエネルギー、照明やカーテン、鍵などのセキュリティなどをスマートスピーカーの音声認識を通じて一元的にコントロールすることを指します。欧米では『コネクテッド・ハウス』とも呼ばれています」(川戸氏)。

 スマートホームのメリットを消費者の視点から見ると、話しかけるだけで家のあらゆるものが自動的にコントロールできる、まさにSF映画のような世界が実現されること。
 
「不動産業界のプレイヤーでは、特にハウスメーカーがスマートホームの動きを見せています。例えば、大和ハウス工業は様々な住宅設備や家電がIoTを活用することで繋がる『Daiwa Connect』プロジェクトをスタートさせ、Google Homeによる音声操作ができる住宅を目指しています。また、ミサワホームは従来のスマートHEMSに加えIoTを活用してライフサービス機能をワンストップで提供する『LinkGates』を商品化させています」

 昨今では、こうしたサービスの企業広告などをよく見かけるので、なんとなく想像がつく人も多いだろう。川戸氏は続ける。

「AIスピーカー、コントローラーパネル、セキュリティセンサー、スマートロック、スマートライトなどのIoTデバイスを提供することで誰でも手軽にIoTの賃貸住宅を提供できるようになるキットの販売を行っているITベンチャーもありますし、スマートホームデバイスを専門で取り扱うリンクジャパン社は、売上高4年連続300%成長を達成するなどスマートホームのIoT市場拡大に一役買うと共にその追い風を受けています。

 ただ、スマートホームの本質は取得可能なIoTデータに基づく、真のOne to Oneマーケティングにあると見ています。詳しくは、また別の機会にお話しますが、GoogleやAmazonのような巨人達もスマートホームに参入していますが、その狙いの1つはこうしたデータの取得と、それに基づく次世代マーケティングにあると考えられます」