ですから「キャラが違う」という前提に立てば、「キャラが違うので相手のキャラに合わせるしかない」とスパっと割り切れるようになるのです。

キャラと割り切れば相手の「持ち味」や「強み」が見えてくる

 キャラが違うことを考慮せず、「同じ人間だから」という視点で相手を見てしまうと、自分との相違点にばかり目がいってしまいますが、自分と違うキャラだとわかると、冷静に相手の持ち味や強みを客観視できるようになります。単純なおバカさんに見えても、どんな逆境でも明るく、前向きに、諦めず突破口を見いだすルフィのように、人の持ち味と強みは表裏一体です。合わない、嫌い、苦手という主観のレンズを通してみると、どうしても相手の持ち味や強みをマイナス面でしか見なくなります。無理にポジティブに見る必要はありませんが、キャラと割り切るとプラス面とマイナス面の両方から客観的に見られるようになりますし、生かし方もわかるようになります。

ラスボスは倒さない限り、必ず再び降臨する

 苦手な上司にオサラバするために転職しても、快適な期間はほんの束の間。苦手だった上司と同じようなキャラは不思議と必ず登場してくるものです。

 そこでうろたえていてはまた元の木阿弥です。ここは、相手は「このゲームの最後に登場するラスボスだと!」と割り切り、攻略する方法を考えましょう。ラスボスを倒さないと永遠にその先は進めません。苦手な相手は「これが彼のキャラだから」と受け止めるよう解説しました。要は、その苦手なキャラをあなたというキャラでどう戦えばクリアできるかを身につけないと、同じようなキャラはたくさんいるので、先に進めなくなるのです。ラスボスというキャラをクリアすることで次の面に進めるというスタンスは受け止めておくといいでしょう。

最後は、「名人」「達人」「天才」と割り切る

 それでも攻略ができないラスボスもいます。そのラスボスは、今のあなたが攻略するにはレベルが違い過ぎるキャラです。このラスボスは職場やあなたに多大なストレスをかけるでしょう。その時はどうするか?

 こんなときは、キャラの捉え方を変えてみましょう。おススメなのは、「名人」「達人」「天才」など、極めてポジティブなネーミングをしてみることです。「できないやつ」と思うと、どうしても、そこに意識が行くし、ストレスも溜まります。そこで、われわれの想像の域を超えた「名人」「達人」「天才」というキャラにしてしまえば、「理解を超える範囲」の人なので、ある意味諦め、「名人」「達人」「天才」の思考・行動パターンに合わせた対応策もみえてくるというものです。

「名人」「達人」「天才」と諦めることで、「さすが、常識の域を超えた面白い行動をするんだな!」とほほえましく思えますし、無理して受け入れようとするストレスからも解放されます。同僚と集まって「うちの使えないアホがさ~」なんて話していると、そのうち職場の雰囲気が悪くなっていきますが、「うちの天才がさ~」「いや、うちの名人がね~」と話していれば、嫌な相手にも次第に愛着が湧いてくるから不思議なものです。

 職場は、さまざまな経緯で集まった仲間とともに、力を合わせて共通の目的地に向かっていく旅と捉えることもできます。そう、『ONE PIECE』の世界と一緒です。予定調和の旅はつまらないもので思い出にも残りません。ドラクエで永遠にスライムを切っているようなものです。「キャラが濃い仲間とのトラブルを乗り越えるゲーム」と考えると職場の日常も明るくなります。

 この域まで達すると、逆に、今までは「絶対無理」と思った人とも、冷静に付き合えるようになります。相手のキャラの受け止め方、生かし方で、あなたが職場で抱えているストレスは大きく変化します。ストレスで体調を悪くする前に、一度試してみることをお勧めします。