(英エコノミスト誌 2019年1月19日号)

中国・習主席、太平洋諸国と首脳会談 台湾の影響力抑止狙う

パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで、同国のピーター・オニール首相(右)と握手する中国の習近平国家主席(左、2018年11月16日撮影)。(c)MAST IRHAM / POOL / AFP〔AFPBB News

 オーストラリアはこれまでずっと、スコット・モリソン首相が自国の「patch(担当区域)」と呼ぶ海域――メラネシア、ミクロネシア、ポリネシアの島々が散在する太平洋の一角(数百万平方マイル)――の持ち主であるかのように振る舞ってきた。

 オーストラリアは慢心にも陥っていた。担当区域はその上空を通過するところであり、訪問先ではなかった。

 1月半ばのオーストラリアの首相によるバヌアツ訪問は1990年以来、フィジー訪問は2006年以来だった。実際訪問した際も太平洋諸島の年次会合への出席だけが目的だった。

 従ってモリソン氏は、両国への公式訪問により歴史を作っていることになる。当人は、この地域を重視していることの一環だと強調する。

 確かに、オーストラリアは昔から太平洋諸島の人々にとって主たる移住先であるうえに、太平洋最大の貿易相手であり援助国だった。

 最後の頼みの綱となる警察官でもある。

 しかし、オーストラリアからこの地域への輸出は脂の多い肉類、たばこ、酒類が主体だ。投資も盛んでないことが多く、バヌアツによるオーストラリアへの投資額はオーストラリアによるバヌアツへの投資額を上回っている。

 オーストラリアは傲慢で高圧的だと批判されることも少なくない。同国のある外交官は、「(我々は)ボールを落としてしまった」と語っている。