(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年1月17日付)

英議会、内閣不信任案を否決 メイ首相、野党に党首会談呼び掛け

政権の不信任案投票を前に、英国の首都ロンドンにある首相官邸を離れるテリーザ・メイ英首相(2019年1月16日撮影)。(c)Tolga AKMEN / AFP〔AFPBB News

 ここまで墜ちた英国は筆者の記憶にない。

 確かに、1956年のスエズ戦争の際の大失敗はあった。その20年後には国際通貨基金(IMF)への支援申請があった。

 いずれも国家的な恥と呼べる瞬間だった。だが、次第に過ぎ去っていく瞬間でもあった。

 ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)のインパクトはその逆で、次第に積み上がってきている。

 この物語は次の章に進むたびに、恥が上塗りされている。どのような結末になろうと、そのダメージがすぐに修復されることはない。

 テリーザ・メイ首相が提示した欠陥のある青写真が議会で大差で否決されることは予想できたし、実際に予想されていた。

 ふたを開けてみると、離脱協定案は滅多切りにされた。平時であれば、首相はとっくに荷物をまとめて官邸を後にしていただろう。

 今は非常時だ。メイ氏が労働党のジェレミー・コービン党首が出した内閣不信任案を退けることは見込めた(注1=16日夜、不信任決議案は反対多数で否決された)。だが、それで何の目的が果たせるのか。