(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年1月11日付)

トランプ大統領、非常事態宣言は留保 「民主党にチャンス与える」

米首都ワシントンのホワイトハウスで、国境警備に関する会議に出席するドナルド・トランプ大統領(2019年1月11日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP〔AFPBB News

 米国人は人生で一番長い1年に乗り出している。この年は2020年11月の大統領選挙まで続く。

 ドナルド・トランプ大統領がどの時点で連邦政府の活動を再開するかは誰にも分からない。しかし、米議会がメキシコとの国境の壁を建設するための多額の予算を大統領に与えないと踏むのは、確実な賭けだ。

 これがトランプ氏にジレンマを突きつけ、再選を狙う選挙活動が迫るにつれて、その葛藤は激しくなっていく。

 もし壁の建設を誓わなかったらトランプ氏の政治家としてのキャリアが始まったかどうか疑わしいが、その約束を守る力は徐々に弱まっていくからだ。

 このためトランプ氏は向こう20カ月、米国民の意思を妨げているとして民主党を批判する方法を見つけ続けるだろう。

 そうすることで、ウィンストン・チャーチルによる狂信者の定義のトランプ版を演じることになる。

 「考えを変えることができず、話題を変えようとしない人」というのが、その定義だ。

 自ら作り出した運命の人質として、トランプ氏が屈辱を避ける唯一の望みは米国政治を人質に取ることにある。