文在寅政権は、発足以来、「所得主導成長」政策を続けてきた。最低賃金を大幅に引き上げ、非正規職の正規職への転換を進めた。

 庶民層に手厚く支援をして、消費を増やし、これをてこに経済を活性化させる狙いだ。ところが、最低賃金の引き上げは中小零細企業の経営を圧迫し、なかなか思うような成果が上がらない。

 半導体に次ぐ成長分野の育成といっても、すぐに新産業が出てくるはずもない。

苛立ちでホンネも吐露?

 「経済」政策への批判が高まるなか、文在寅大統領の苛立ちも強まっているようだ。

 2018年12月31日。文在寅大統領は青瓦台で与党指導部との忘年昼食会を開いた。この席でこんな発言をしたのだ。

 「経済が何よりも重要だ。最低賃金引き上げや労働時間短縮については予算など補完措置を打てば2019年には少しずつ成果が出てくる」

 「残念なのは、成果があっても私たちの社会で『経済失敗フレーム』がとにかく強く、国民にきちんと伝わらない。取捨選択して報道したいことばかり否定的に報道する状況が大変残念だ」

 メディア批判というよりも、身内である与党幹部との席で思わずホンネを明かしてしまったようだ。

 文在寅政権は5月に発足から満2年を迎える。「経済」で成果を上げて支持率回復を是が非でも図りたいのは当然だ。

 一方で、「経済」への批判も強く、経済が政治問題化する懸念もある。