「思い出す」訓練と「意味付け」

「見覚えがある」状態を作り、さらに流し読みを重ねてきたら、いよいよ③の最終段階です。

 流し読みとは言え、一応は1週間で10回程度は視界に入れているはずなので、あとは英単語であれば日本語訳を、読書であれば着色した部分を、きちんと思い出せるかを一つひとつ確認していきます。これはたとえば日本語の意味が書かれた部分を隠したり、着色した部分を自分の言葉でメモに書いてみたり、といった泥臭い作業になります。

 1回目の「思い出す」訓練では、おそらくほとんど思い出せないと思いますが、3回目ぐらいになれば、6~7割は思い出せる、つまり「意外にできている」段階になる人が多いのではないかと思います。

 残り3〜4割のうち大半は、もう少し繰り返していくうちに覚えられます(したがって、この3〜4割はきちんと分かるように印をつけておく)。

 最終的には1割程度、「なぜかめちゃくちゃ覚えづらい」ものが残ることが多いのですが、これは印を付けるだけでは覚えられないかもしれないので、別途リストにまとめるなどして、暇さえあれば確認するようにします(試験前日などに集中的に確認することもできます)。

 意外に思われるかもしれませんが、人間の脳は、意味付けが無くても視覚情報のまま記憶できることが大半です。「通学路や通勤路に何があるか」や「行きつけのラーメン屋の席配置がどうなっているか」は、「覚えよう」と思っていなくても自然に頭に入っているもの。英単語や数式も、まずは視覚情報で記憶できるものはしてしまい、それで対応しきれないものに限って別個に対応したほうが全体の効率が遥かにに上がるのです。

 流し読み・通読を繰り返しながら視覚情報として脳に入れて、その作業を反復し、それでも覚えにくいものについては別途まとめていく。このインプットの技法は、論理構造・全体感を素早く掴めるという効果もありますし、また、インプットの効率化には今日ご紹介した以外にもコツがありますので、こちらは回を改めてご紹介できたらと考えています。