銃を磨き、上の命令に従って無茶なこともたくさんし、因果なこともたくさんあったようです。

 ライフルを分解し油を差して手入れすることは、自分の命を守るうえでも必須不可欠だったそうです。

 でも、戦闘中心の生活では、指を折って可能な簡単な計算以上の知性を磨く機会はなかった。文字はまともに読めず、自分の名を一文字一文字追うことができる程度。

 家族もなく、ときに大金を手にすることもあったけれど、散財して手元には何も残っていません。そんな状態で40代、50代となると、戦力としては若い世代に太刀打ちできません。

 結局、用済みの老兵となった。文字が書けず計算もできない彼のような人が、同世代に何十万人もいるというのが「半世紀にわたって内戦が続いた国」の、偽らざる現実であることを教えられました。

 老人は円形の枠に張った布に、ミシンで花の模様を刺繍していました。この仕事を覚えれば、何とか自活できる可能性があるそうです。

 こうした授産事業に、ルワンダ大統領府は非常に意欲的でした。1次生産者の知性を上昇させることは、貧困撲滅の最も重要なカギになるのです。

 逆に言えば、文字が読めず、ろくに計算もできない人が末端労働に従事していれば、仲買やブローカーがいくらでもピンハネできてしまい、腐敗した経済社会の構造は、国の健全な復興と成長を著しい妨げになってしまいかねない。

 そうした観点からも、教育は決定的に重要だというのが、私をこの老人に合わせてくれた大統領府担当官のコメントでした。

 子供を戦争に投入するのは非人道的である・・・全くその通りです。