マレーシア進出を成功させるには

 官民一丸となり、デジタル経済の発展を目指すマレーシア。東南アジアや中東への窓口となる同国に進出し、成功するための条件は何だろうか。

「マレーシア進出や投資を成功させるポイントは、まずマレーシアという市場をよく理解することが重要です。デジタル化に敏感で、SNSや携帯電話の利用率が高いこと。その先にある、6億5000万人という大きな人口を誇るASEAN市場とも多くの共通点を持っていることを十分に理解しておく必要があるでしょう。また、マレーシアが多民族国家で人材コストが低く、大きな日本人コミュニティも存在するという環境面も考慮しておいて欲しいですね」

 またチューン氏は、マレーシアの地元企業と協業すれば、市場をより深く理解する助けとなるだろうと教えてくれた。最後に、日本企業に期待することについて語ってもらった。

「マレーシアはデジタル経済の発展を目指して様々な取り組みを行っています。そうした取り組みや、マレーシア独自の環境や市場を知っていただいた上で、たくさんの日本企業に参入して欲しいですね。長期的には東南アジアや南アジア、中東への拡大の第一歩となるメリットを考慮した上で、マレーシアで起業や投資を行っていただければと思います」

 自国のデジタル経済を発展させるため、積極的に日本企業や起業家の招致を進めるマレーシア。IoTやAIといったテクノロジー系の事業をアジア圏で拡大させていきたいのなら、注視しておきたい市場だ。