「日本はもともと空調システムなどの環境制御系技術が得意ですし、2008~2009年にISSに建設した実験棟『きぼう』でも、温度調整や空気循環といった生命維持技術を実証しています。また、日本製のカメラやバッテリーも定評があるので、事前交渉の段階ではありますが、NASAとESAからこの2つは日本に分担して欲しいと言われている」

 そしてもう1つ、日本が誇るのは補給機である。ゲートウェイが完成した暁には、定期的に物資を補給する必要が出てくるが、そこでモノを言うのがISSでの実績。

ロボットアームで移動中の「こうのとり7号」 (C)JAXA/NASA

 現在、ISSの補給を担っているのは日本の「こうのとり」、米国の民間企業が手掛ける「シグナス」と「ドラゴン」、そしてロシアの「プログレス」で、

「米国やロシアの補給機は遅れることが日常茶飯事。しかも、それぞれ1~2度、失敗しています。その点、『こうのとり』は過去7回とも成功し、定刻通りに到着している。『こうのとり』と『ドラゴン』は、宇宙飛行士がISSのロボットアームを使って手動でドッキングするので、彼らにとってちょうどいいタイミングで到着しなければなりません。ちょうど彼らが目覚めた頃に接近していて、昼過ぎにドッキングするスケジュールになっていて、時間厳守。『こうのとり』はその通りにやってくるので、国際的に非常に信頼されている」

「運命的なものを感じています」

 実は佐々木センター長は、開発段階から「こうのとり」に携わった立役者の1人でもある。1987年にJAXAの前身「宇宙開発事業団」に入社し、1998年に発足した「こうのとり」のプロジェクトチームに配属。以来、試行錯誤を重ねること十余年、2009年に1号機の補給が成功した際は、現場の責任者であるファンクションマネージャーを務めていた。

 その後、経営企画部次長、宇宙科学研究所(ISAS/JAXAの宇宙科学部門)の科学推進部部長を経て昨年7月、センターの発足とともにトップに抜擢された。

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