ただ、火星に比べたら近い月でも、地球の上空400キロを周回しているISSからすれば、かなり遠い。その分、資材を運ぶのも一苦労のため、規模はISSの7分の1程度になるという。

「ISSは重さ420トンで、サッカー場ほどの広さがあります。完成するまでスペースシャトルを40回も打ち上げ、10年以上かかりました。一方、ゲートウェイは重さ70トンで、7回のミッションで4年のうちに完成させる構想です。ISSと同様、モジュールやパーツを順番に打ち上げ、ドッキングしていきますが、2022年に打ち上げる最初のモジュールは自動で目的地まで行く。そのため、翌年から追加のモジュールとともに宇宙飛行士を送り、彼らがドッキング作業を担っていくことになる」

 一度に送られる宇宙飛行士は4人で、2026年の完成まで4回の有人ミッションが予定されている。つまり、計16人が組み立て作業に携わる計算だ。

「ISSには一度に6人が滞在し、1年以上残る宇宙飛行士もいますが、ゲートウェイの滞在期間は30日程度です。あくまでも月面や火星に行く際のベースキャンプという位置づけですし、宇宙放射線の影響も見ないといけないので、いまのところ長期滞在は想定されていません」

日本人宇宙飛行士の枠は1人か2人

 日本としては完成までに1人くらいは宇宙飛行士を送りたいところだが、

「きぼう」の入り口で記念撮影する金井宣茂宇宙飛行士 (C)JAXA/NASA

「それは我々にとっても最低ラインの目標です。あくまでも目安ですが、ISSの場合は滞在する宇宙飛行士の7~8割がアメリカで、残りの2~3割のうち日本とヨーロッパがだいたい1割ずつ占めています。そう考えると、日本人宇宙飛行士の枠は、16人のうち1人か2人でしょう」

 ここで重要になってくるのが、ゲートウェイへの貢献度だ。その度合いによって完成後も含めてどれだけ自国の宇宙飛行士を送れるか、そして先々の月面探査や火星探査でどのような役割を担えるかが決まってくる。

 日本の場合、貢献のポイントは3つ。生命維持(環境制御)と電子機器、そして物資補給だという。

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