クリスマス・イブの午後4時過ぎ、営業をやめてしまうクリスマス屋台、ベルリン・ヨーロッパ広場

 お正月に初詣に行ったら、神社の境内に並ぶ小屋掛けが軒並み閉店していたら、皆さんはどんなふうに思われますか?

 と書き出したこの原稿をベルリンで校正している新年早々、欧州では困った事件の報道が続いています。

 1つは大晦日の夜9時(欧州時間ですので日本はすでに新年が明けています)、英国のマンチェスターで発生した、3人が刃物で襲撃されるというテロ事件。

 こちらはまだ詳細の報道がなされていませんが、イスラム原理主義との関係が取り沙汰され捜査が進んでいるようです。

 もう1つは、欧州で新年が明けた1月1日未明、ドイツのヴェストファーレン州で発生した、中東系の移民を狙った欧州人による自動車を用いたヘイト・テロです。

 シリア難民など5人が重軽傷を負い、こちらについては明らかに「外国人に対する殺意」があった可能性が報じられています。

 少し欧州事情を補足しますと、大晦日から元旦にかけては、11月末から街々の広場に建てられた「クリスマス市」が最後の賑わいを見せます。

 1月2日以降は撤去されてしまうカレンダーの中で、特に年の変わり目の深夜には、花火や爆竹が焚かれるところも少なくありません。

 本稿を記しているベルリンでも、大晦日は夕方から町の随所で皆が花火を上げ、0時の時報前後には、派手な打ち上げで町中を硝煙の匂いが覆いました。

 こうした行事は以前からあるものですが、ドイツではとりわけ普段は生活の苦しい移民の人々が、せめてもの気晴らしにと、花火に興じる姿を目にするように思います。