また、毎月作成している月次の資料なども、「エクセルからこのデータをコピーし、それを加工して」というように一定のやり方で作成している資料であったら、RPAで作成することが出来ます。

 前述のように、「単調だけども、意外に面倒くさい」仕事がサクサクすすむようになるのです。

カイゼンも小さな工夫の積み重ねから

 それでも「そんな作業、多少は時間がかかるかもしれないけれど、スタッフで十分対応してきた。わざわざRPAなんて導入しなくても困らないよ」と思う人もいるかも知れません。しかし、細かい“ムダ”の積み重ねが、生産性向上の大きな妨げになっているのです。わずかな効率化でも、それがいくつも出てくれば、大きな意味を持ちます。考えてみれば、あのトヨタのカイゼン運動だって、効率化につながる小さな工夫をいくつも積み重ねることで、どこよりも効率的な業務体制を築き上げてきたわけですから、RPAが目指す方向性は、トヨタのカイゼン運動と変わらないとも言えます。

 それでもまだ踏み切れないという経営者の方は、RPAを扱っている代理店などで、その使い勝手を体験してみたらいかがでしょう。できれば、最もRPAの恩恵を受けそうな管理部門のスタッフと一緒に触れてみることをお勧めします。経営者の方はぴんと来ていなくても、実際にデスクで作業を行うことが多い管理部門のスタッフにとってみれば、使えそうな機能がたくさんあると思います。

 ペーパーレス化が進んできたことで、今度はデータの取り扱いが非常に面倒くさいことになりつつあります。このトレンドは今後も変わりそうにありません。そのような場合にもRPAは威力を発揮します。

 これまでの仕事のやり方を踏襲したほうが気持ち的には楽ですが、簡単な手間で仕事の効率化が図れるRPAを使うか使わないかは、これからの会社の発展にも影響してきます。「食わず嫌い」の傾向が強い経営者の方はそのクセを改め、仕事の効率化と社員のための働き方改革の実現を同時に目指すべきではないでしょうか。