中国副首相と米財務長官・通商代表が電話会談 首脳会談合意の履行などで意見交換

米国と中国の国旗。中国・北京にて。(2018年12月6日撮影、資料写真)。(c)FRED DUFOUR / AFP 〔AFPBB News

 米中の貿易戦争はいつまで続くのだろうか。このような問いかけは、対立を貿易戦争と見るために出てくるものである。それは意味のある問いかけとは言えない。なぜなら、今回の対立は貿易戦争ではなく、「ツキジデスの罠」(覇権国と挑戦国の争い)であるからだ。貿易戦争ならば休戦もあり得るが、覇権国と挑戦国の雌雄を決する戦いが途中で終わることはない。

 そのため、「いつ終わるか」ではなく、「どちらが勝つか」が重要になる。それでは、どちらが勝つのであろうか。それに答えるためには、両国の戦争目的と戦略を見る必要がある。

攻撃目標は中国の情報・ハイテク産業

 米国の戦争目的と戦略は明快である。戦争目的は挑戦国を叩き潰すこと、21世紀もドル基軸体制を維持することである。そして、米国人が正しいと思うことを世界に押し付ける力を維持し続けることである。英語を共通語として世界中で使わせることも重要になる。国際会議は英語で行わなければならない。

 21世紀になった現在、覇権を維持するために熱い戦争を行う必要はない。ただ、ドル基軸体制を維持するために軍事力の裏付け必要だから、軍事において世界をリードし続けなければならない。

 現在、軍事技術において情報やハイテクに関わる技術はその中核を占める。だから、その分野で、米国に挑戦し始めた中国を許すわけにはいかない。今回の戦いが、ZTEやファーウェイなどを巡って行われていることは、そのことを象徴的に表している。