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イノベーション
2018.12.13

アマゾンエフェクトからの脱却を図る小売業の新機軸
IoT時代、<ショッピング体験>が変わる

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 結果、お客さまの反応はどうだったか。

 SNSでの評判をチェックすると、確かに価格は安くなったが味が落ちた、ノンオーガニックの果物や野菜が増えた、欠品が目立つようになった、など富裕層を中心とするコアなファンのお客さまからの不満やネガティブな声もかなりの頻度で散見されるようだ。

 ブランド体験価値の側面でも、アマゾン買収前のホールフーズはオーガニックの果物や野菜を目にも鮮やかな造形で陳列し、お客さまにエモーショナルな高揚感を提供することで定評があった。

 お客さま層の拡大を狙った「プレミアム価格の破壊」が、品質の低下や欠品を招き、「ホールフーズならではの体験価値の劣化」までも引き起こしているとしたら、コアのファンだったお客さまの離反を招く由々しき事態と言えるだろう。

 しかし、である。あえて穿った見方をすれば、百戦錬磨のアマゾンはこの程度のネガティブインパクトは想定の範囲なのだろうと思う。

 リーンスタートアップの手法で無人店舗『Amazon GO』をシアトルから全米へ拡大していくのと同じ発想で、「オンライングローサリーの実験場」としてホールフーズを使い尽くし、失敗から学んで行く。

 学習速度の速さこそが、アマゾンが考える「新しい時代の競争優位」なのだ。

 ホールフーズの全米470店舗という規模も、「実験にはちょうど良いサイズ」とジェフ・ベソスCEOや経営幹部には映っているのかもしれない。

アマゾンは自働化によるコストダウンで活路を見出す

 オンライングローサリーは事業規模が拡大すればするほど、IT投資とオペレーションのための人件費が積み重なる。

 ウォルマートにしても売上高の伸びこそ華々しいが、事業単体で見た場合、現状、ウォルマート・グローサリーは利益を押し下げる最大のネガ要因になっているはずだ。

「オンライングローサリーという土俵」での勝負は、まだまだ序盤戦にすぎない。

 勝負の分かれ目は「自動化」と「コストダウン」になるだろう。

「アマゾンエフェクト」が一過性の社会現象だったのか、それとも真の破壊的イノベーションとして猛威を振るい、伝統的な小売市場を焼け野原にするのか。

 アマゾン本体だけでなく、対抗軸を打ち出しているプレイヤーの動向をつぶさに観察して行くといろいろと見えてくることが多い。

JBPRESS

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