英議会、メイ政権非難の動議可決 EU離脱案、審議初日に痛手

英国のメイ首相は、英国が明確な貿易協定を結ばないまま来年3月にEUから離脱することを阻止しようと努めている。英ロンドンの議会前に掲げられた欧州旗(2017年12月8日撮影、資料写真)。(c)Daniel LEAL-OLIVAS / AFP〔AFPBB News

 米WTI原油先物価格は12月6日のOPEC総会の結果を受けて前日比2.6%安の1バレル=51.49ドルに下落した。

 サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はOPEC総会の冒頭に「相場均衡を図るため日量100万バレルの減産で十分だ」と述べた。この発言を受け、「少なくとも130万バレル以上減らさないと需給は改善しない」との見方が優勢だったことから、中東産原油の影響を受けやすい北海ブレント原油先物価格は、一時前日比5.2%安となった。

 事前予想よりも減産規模の提案が小幅だったことについて、ファリハ氏は「市場にショックを与えたくない」と述べた。だが、前日のトランプ大統領のツイートに配慮したことは間違いない。トランプ大統領は「世界は原油高を必要と考えていない。OPECは原油供給を絞るのではなく現状のままにすることが望ましい」とツイートしていた。サウジアラビア人ジャーナリスト・カショギ氏殺害に対するムハンマド皇太子の関与が米国内で取り沙汰される中でもサウジアラビアを擁護する姿勢を崩さないトランプ大統領の要請を無碍にすることはできなかったというわけだ。

増産の勢いを止めないOPEC、ロシア、米国

 小幅な減産提案であったにもかかわらず、サウジアラビアを凌ぐ原油生産国のロシアは提案に難色を示した。ロシアの反応はサウジアラビアにとって誤算だっただろう。

 事前の交渉段階で、OPEC側はロシアに対して日量25~30万バレル規模の減産を要求したのに対し、ロシアは「その半分程度しか受け容れられない」と回答していたとの情報がある。ロシア側は「冬場の減産は技術的に難しい」としているが、「減産をして原油価格を上げてもその恩恵に浴するのはシュール企業だ」との思いもあったはずだ。

 翌7日のOPEC加盟国とロシアを中心とした非加盟国との会合で合計日量120万バレルの減産が合意された。今年10月の水準を基準として、OPECが日量80万バレル、非加盟国が同40万バレルの減産を実施する。ロシアの減産分は同22.8万バレルだが、削減は数カ月かけて段階的に行う。期間は来年1月から6月までであり、4月に会合を開いて見直しを行うこととしている。