(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年12月4日付)

APECが閉幕、史上初めて首脳宣言採択できず

パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の集合写真撮影に臨む各国首脳ら(2018年11月18日撮影)。(c)SAEED KHAN / AFP〔AFPBB News

 日本の政府関係者にとって、パプアニューギニアで最近開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、若干気まずさを覚える追憶の旅だった。

 ニューギニア島は第2次世界大戦でも特に激しい戦闘の舞台となり、米軍、オーストラリア軍との戦いで10万人以上の日本兵が命を落とした場所だ。

 サミットに出席した日本の代表団は、この目立たない世界の一角が今再び、強国同士の争いの舞台になりつつあるという強い感触を得て東京に戻った。

 APEC首脳会議と時を同じくして、オーストラリアと米国がパプアニューギニアのマヌス島で海軍基地を共同で開発する計画が発表された。

 南太平洋で増大する中国の影響力に対抗しようとする明白な取り組みの一環だ。

 一方、中国も地域に多額の投資を行っており、軍事基地の開設を目指していると噂されている。

 米中間で高まる緊張は日本の一部の戦略家に、1930年代の米国と日本のライバル関係を思い出させる。

 ある日本政府高官は筆者に「中国人はまだ、自国のリーダーシップが脅かされていると感じた時に米国人が容赦ない反応を示すことを理解していない」と話してくれた。