2016年には、「スネドン氏は平壌で現地女性と結婚して2児の父となり、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を含む要人らに英語を教えている」という証言が韓国から伝えられ、米国のメディアもスネドン氏拉致説を一斉に報道していた。

調査が進まなかったオバマ政権時代

 今回の上院決議は拘束力こそないが、国務省やCIAをはじめとする関係省庁がスネドン氏の行方の本格調査を実施することや、日本や韓国の政府と協力し合って北朝鮮のスネドン氏拉致の可能性について合同調査を始めることを、米国政府に明確に求めていた。

 米国議会ではオバマ政権下の2016年9月に、下院本会議がスネドン氏の北朝鮮拉致説に関連して同趣旨の決議を採択した。しかし、当時はオバマ政権の中国への配慮などからスネドン氏の行方調査が実際には進まなかった。

 この間、日本側では元拉致問題担当相の古屋圭司衆院議員が、米側上下両院に決議案の提出と採択を一貫して訴えてきた。古屋議員は、超大国である米国が自国民の北朝鮮による拉致の可能性を認識し、その行方調査を本格的に始めれば、必ずや日本人の拉致事件の解決にも有力な材料になると主張して、米議会が動くよう働きかけてきた。

 今回の上院での決議採択は、上下両院がそろって同趣旨の決議を採用したこととなる。トランプ政権がついに腰を上げる確率が高くなってきた。