この技術者たちは、毎朝、次のような駐車場の争奪戦を行わなくてはならない。技術者たちは、なるべくR&D棟に近い駐車場にクルマを止めたいと思っているが、R&D棟に最も近い駐車場(F)は、すぐに埋まってしまう。もし、駐車場(F)に確実にクルマを止めたいのなら、朝6:30~7:00までには出勤しなければならないという。

 それ以降に出勤すると、大渋滞が待っている上に、R&D棟から相当離れた駐車場(C)にクルマを止めなくてはならない。そして、駐車場(C)もR&D棟に近い方から埋まっていくから、会社に着くのが遅くなってしまった場合、駐車場(C)の外れにクルマを止めざるを得ない。そこからR&D棟まで、歩いて20分以上もかかるという。

 このような朝の大渋滞と駐車場問題は、東芝メモリの生産性を大きく低下させている。サムスン電子やSKハイニクス(SK hynix)は、通勤の巡回バスを頻繁に走らせ、工場の近くに鉄道を引き込んで駅をつくるなど、通勤対策を行っている。

 東芝メモリの幹部は、通勤の巡回バスをもっとたくさん走らせる、もっと近くに多くの駐車場をつくる(場合によっては立体駐車場にする)、四日市市と協力して鉄道を工場まで引き込む、などもっと真剣に通勤対策を行うべきである。

クルマ購入の補助をするべき

 新卒の学生が東芝メモリを見たとき、上記のような通勤事情は耐えられないと思うに違いない。その上さらに、新卒の学生が東芝メモリを敬遠する事情がある。

 もし、新卒者が、四日市工場や、現在建設中の岩手北上工場勤務になった場合、クルマを買わなくてはならないという問題である。

 昨今、若者のクルマ離れが進んでいる。免許証を持っていない学生もいるかもしれない。また、免許証を持っていたとしても、新卒の学生がすぐにクルマを買えるかといえば、相当経済的に厳しいだろう。

 新卒でなくとも、川崎、新杉田、大船等から四日市工場へ異動になった場合、既婚者ならば、2台のクルマが必要になる。これも、転勤者の家計を圧迫する。

 東芝メモリは、クルマ通勤者に対して、ガソリン代などの補助は出しているようだが、それだけでは不十分だ。新卒や転勤者に対して、クルマ購入の頭金の補助をするとか、低金利のローンを提供するとか、もっと手厚い支援を行うべきである。でないと、四日市工場に行きたいと思う者が、誰もいなくなるだろう。

住宅問題も深刻だ

 東芝メモリの四日市工場勤務者用に独身寮や社宅があるわけではないため、会社がアパートやマンションを借り上げ、そこに社員が住むことになる。その際、独身者の場合、家賃の半分くらいの補助が出るという。