次に、東芝は、3年前の2015年に粉飾会計を行った結果、歴代3社長が更迭された。また、昨年2017年に、東芝の債務超過を回避するために、メモリ事業が“売却”された。

 つまり、“東芝”ブランドが著しく棄損された上に、東芝メモリには、“売り払われた事業”というネガティブなイメージがまとわりついている。

 さらに、東証2部上場企業(2017年7月まで1部)の東芝は連結で約20万人の社員がいるが、東芝メモリは未上場企業で、社員数は約1万人しかいない。

 以上のような状況であるため、就活を行う学生やその親にとって東芝メモリは、将来性のない、危なっかしい、“中小企業”のように見えるのだろう。

 本当は、いくら20万人の社員がいて1部上場企業であっても、メモリ事業を売却して稼ぐことができなくなった東芝本体より、社員1万人の東芝メモリの方が将来有望なのだが、そのことが学生には、なかなか理解されないのである。

 しかし、東芝メモリ側も、「学生が来てくれない」と嘆き、手を拱いていてはいけない。もっと、東芝メモリの将来性をアピールし、学生にその魅力を理解して貰わなければならない。そして、学生を振り向かせるためには、次節で述べる勤務環境の改善が必要不可欠である。

通勤環境を何とかしてくれ

 東芝メモリの生産基地である四日市工場には、約6000人が勤務しており、その内7~8割がクルマ通勤であるという。つまり、4200~4800人程度がクルマ通勤をしていることになる。ところが、そのクルマ通勤の環境が大問題であると聞いた(図3)。

図3 東芝メモリの四日市工場と駐車場(画像:Googleマップ、地図データ:Google、ゼンリン)
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 まず、始業時間の8:30頃に、四日市工場周辺の道路が大渋滞になるという。そもそもクルマ通勤者が多い上に、四日市工場周辺の道路が整備されておらず、細い道路が多いことも大渋滞の原因になっている。

 また、今年、新製造棟のY6とR&D棟が建設された。そして、R&D棟には、これまでY2~Y5に散らばっていた技術者たちが集結した。