北海道に学ぶ大規模停電時のエネルギー確保術

北海道胆振東部地震・大規模停電の教訓をどう生かすか

2019.01.11(金) 柴本 淑子
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54818
  • 著者プロフィール&コラム概要

北海道熱供給公社 執行役員
営業部長 中田貞志 氏

「地震発生(午前3時8分)の17分後に停電しました。ここで非常用発電機が起動して『さっぽろ創世スクエア』の建物へ電源を供給するとともに、次にプラントのコージェネが起動しプラント内の保安系統や熱源設備へ電源供給を開始。その後、併設する放送局への冷水供給が始まりました。7時20分には『さっぽろ創世スクエア』の管理者と協議し、BCP対応を開始。2台のコージェネを運転し建物側の空調設備へ電源供給を行うとともに、プラントで製造した冷温水を建物内のオフィスや施設に供給したので、『さっぽろ創世スクエア』の機能面においては、その日も通常通りの業務ができました。復電したのは17時でした」

 災害時、指揮拠点や避難所になる官庁や公共の施設には自家発電設備があり、とりあえず建物は機能する。次に必要なのが空調用の冷暖房だ。北海道といえども夏は冷房が必要であり、冬は暖房がないと命に関わる。

「今回の地震による停電では、コージェネを装備していたことで、そのニーズに対応できたほか、照明やコンセントなどの電源供給として役割を果たしたECもありました。それを可能にしたのは、耐久性に優れ、地震にも強い中圧ガス管に接続していたため、ガス供給が停止しなかったことが大きい。コージェネを装備していれば、停電時でもいつもと同じエネルギーを使うことができるのだと、あらためて実感しました」(中田部長)

 この地震で、創世ECをはじめとした成功事例ができたことで、同社では、今後さらに札幌市のエネルギー施策にも沿った分散型拠点の設置推進を進めていきたいと考えている。

 今回、地震による大規模停電に直面しながらも電力を確保した事例や行政の取り組みを見てきたが、自然災害が頻発する昨今。いつどこで、長引く停電が起きてもおかしくない。いかに、エネルギーの安定的な供給や確保に向けた備えをしていくのか。行政や企業はもちろん、さらには各家庭においても、あらためて考えていく必要があるだろう。

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(しばもと・よしこ) フリーライター。お茶の水女子大学文教育学部卒。日本経済新聞社を経て、『ひよこクラブ』『たまごクラブ』『マイ・フォーティーズ』『毎日が発見』の各編集長を歴任。東洋大学理工学部非常勤講師。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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