この無駄な仕事に陥りやすいのが、「会議」です。これはわが社であった恥ずかしい例ですが、4人も5人も集まって談笑しながら3時間もあれこれしゃべった、なんていう「会議」がかつては行われていました。そんな日に限って、その日の仕事が定時に終わらず、時間外でやっつけたりしている。これでは本末転倒です。

 また、管理職の中には会議をハシゴする人もいます。会議の途中で「じゃあ、次の会議があるので」なんて言って中座してしまう。

 会議は効率的にするのが鉄則。わが社では、会議の無駄に気が付いて以来、会議は30分以内、を原則としました。3人以上で30分以上かかった会議は、3行でもいいから議事録を書くというルールにしたら、それがプレッシャーになったのか、長い会議はなくなりました。これだけでもかなりの「働き方改革」になります。

 また企業で残業が増える要素の一つに、会議やプレゼンのための「資料作り」というものがあります。顧客向けの資料ならば手の込んだものにするのもアリですが、社内向けの資料に過ぎないのに「社長がこういうスタイルで作らないと納得してくれないから」といって、ずいぶん凝った資料を作っている企業もあります。

 社内向けの資料に、凝ったデザインや体裁は不要です。日本を代表する某メーカーでは、社内向けに出す最初の企画案はA4用紙1枚で、と決まっているというのは有名な話。一流企業でもそうなのですから、中小企業が社内向け資料の作成に時間をかける必要はないのです。

ペーパーレス化は時間削減にも効果絶大

 もう一つ、中小企業が取り組むべきなのが「ペーパーレス化」です。

「資料はやっぱりパソコンのモニターじゃなくて、紙に印刷したものに、赤ペンで印を付けながら読まないと頭に入らないんだよ」なんて、まだ「紙至上主義」の中小企業は少なくありません。

 しかしペーパーレス化はいま世の中でものすごい勢いで進んでいます。なぜならペーパーレス化は、単に紙資源の節約、コストカットになるだけでなく、時間削減効果が絶大だからです。

 紙にいちいちプリントする必要もありませんし、それを閉じる必要もない。大量になれば、それを配布するのにだって時間や手間がかかります。

 それだけではありません。重要なデータが印刷された資料でしたら、不要になったからと言ってそれをそのままゴミ箱に捨てるわけにはいきません。シュレッダーにかけるか熔解化するか。いずれにしても手間もコストもかかります。