さらに、2017年夏から秋にかけて韓国では自動車工場でのストが頻発していた。それだけ生産台数が少なかったのだ。2018年はその反動ともいえる。

 8月から10月だけの生産台数を見て「回復」と見る向きはだからほとんどない。実際、1~10月の生産台数はマイナス4.8%減だ。

現代自動車大幅減益直後に

 何よりも、最大メーカーである現代自動車の業績が大幅に悪化しているのだ。10月末に発表した7~9月期の営業利益は2889億ウォン(1円=10ウォン)で前年同期比7割減となった。

 自動車業界では、現代自動車、起亜自動車の販売低迷と韓国GMの生産急減などで、「最も困難な業界」という見方が強い。特に、部品メーカーは大幅減益や赤字転落が続出している。

 造船についてはどうか。確かに、造船業界については「最悪期は脱して好転してきた」という指摘が少なくない。

 それでも「底を打って好転し始めた兆候がある」という程度だ。ではなぜこんな話になったのか。

コンテナ船大量発注

 韓国の大手海運会社、現代商船が大型コンテナ船20隻を9月に発注したのだ。
これを韓国の大手造船3社が分け合い、突然受注が跳ね上がった。

 ところが9月には受注が再び10分の1に急減した。

 現代商船は経営悪化から何とか回復しつつある状況だ。今回の発注に際しても、政府系金融機関などが巨額の支援をしている。

 造船については最近、こんな話も聞いた。