最も規模が大きく、ある意味で最初に参加しやすいのが、大手メディアや業界団体(東証や日本証券業協会など)が主催・協賛する投資イベントです。「○○フェア」「○○フェスタ」などの名称がついています。内外の大物識者が講演したり、多くの金融機関がブースを出展したりするなか、個別の投資家向けセッションが投資セミナーということになります。

 これは面白いです。たいていは参加費無料、先着順で軽食を提供するイベントも珍しくありません。金融機関のブースを回るとたくさんの資料やノベルティがもらえます。もちろん、その会社で提供している投資商品に関する質問にも答えてくれます。まずは、このような大規模投資イベントに参加して、投資や資産運用の世界を体感してみてはどうでしょう。雰囲気を味わうだけでも投資へのモチベーションがより高まります。

 上手に活用するコツは大きく2つ。ひとつは、投資の学習を目的にするならブース見学は最後にすること。たくさんあるので疲れてしまうからです。あくまで講演とセッション(セミナー)参加を中心に考え、ブース巡りは最後のお楽しみにしましょう。もうひとつは、参加したいセッションを事前に選んでおくこと。人気講師のセッションは抽選や当日先着順になることもあります。イベントのウェブサイトでプログラムを確認して、当日の行動予定を立てておきましょう。

出展社が力を入れる金融グループの独自イベント

 セミナー種類の2つめは、大手金融機関グループによる独自の投資イベントです。当該グループに口座を持っていなくても参加できることが多く、大手メディア・業界団体によるイベントと同程度の規模で開催されることもあります。内容も似ていますが、大きく違うのは出展社。そのほとんどは、主催の金融グループに商品・サービスを提供している会社です。具体的には、銀行や証券会社が主催し、投信運用会社が出展しているケースなどがあります。

 出展社である運用会社は主催の証券・銀行に商品を売ってもらっているので、イベント全体が販社向けプレゼンテーション、アピールの場でもあるわけです。当然のことながら注力しますし、セミナー内容も他イベントよりも吟味され、情報がアップデートされている可能性があります。投資学習という点では、より期待できると思います。

 注意したいのは、出展社や講師が提供する情報のほとんどが、主催の金融グループで取り扱っている商品・サービスに偏りがちなこと。セミナーを聞いて「この商品いいな」と思っても、主催する金融機関に口座がなければ買えないことが多いのです。また、セミナーやブースにおいて主催社にネガティブな情報を聞くことはないでしょう。