(3)301条の内容

ア.趣旨:米国1974年通商法301条は、外国政府の不公正行為に対抗して、米国政府が報復措置をとる権限と手続きを規定する。

イ.不公正行為:

不公正行為とは、1) 通商協定違反行為および不正 (unjustifiable)行為、2) 差別 (discriminatory)行為、または3) 不合理 (unreasonable)行為をいう。

 不正行為とは国際義務(条約や協定はもちろん、国際慣習法も含めて)違反行為である。

 差別行為とは、合衆国産品またはサービスまたは投資に対する内国民待遇や最恵国待遇を拒否する行為を含む。

 不合理行為とは不公正かつ不公平(unfair and inequitable) な行為をいい、1)起業機会の拒否、2)知的財産権の適正かつ有効な保護の拒否、3)市場機会の拒否(合衆国製品のアクセスを制限する外国民間企業の組織的反競争活動に対する同政府の黙認をふくむ)、4)輸出ターゲティング、5)労働者の権利の常習的な拒否などを含む。

 いずれの場合も、それが米国商業に対する負担・制約になっていることが要件である。

ウ.担当官庁:調査者・措置の決定者は、大統領が上院の助言と承認を経て任命する合衆国通商代表(USTR)である。

エ.措置の種類:不公正行為が協定違反または不正行為の場合、措置は義務的である(USTRは措置をとらなければならない)。

 ただし、1)大統領が拒否権を発動した場合、2)相手国政府が協定違反や不正行為をやめるか補償提供に同意した場合、または 3)WTOの否定的決定がある場合、措置を免除する。

 不公正行為が差別行為または不合理行為の場合、措置は裁量的(措置をとるかどうするかUSTRが判断し決定する)である。

オ.措置の内容は大統領権限のすべてに及ぶが、対象外国産品に対する一定期間の報復関税(不公正行為による米国商業の被害と等価)の賦課が最も望ましいと規定されている。

カ.たすきがけ報復とカルーセル条項:不公正行為対象品目と報復措置対象品目はかならずしも同じでなくてもいい。

キ.調査開始:利害関係者による提訴またはUSTRの職権による独自の調査。調査開始は裁量的である。

ク.措置決定期限:一般の場合12か月以内、協定違反事件の場合18か月以内。措置の実施は最長180日延期可。措置は4年間の自動終結。