この大規模集会の数日前、民主労総のメンバーが、仁川にある与党・共に民主党の院内代表(国会議員)の事務所に押しかけ、数日間にわたって占拠した。

盟友・与党幹部事務所、韓国GM社長室占拠

 与党は本来は、労組の見方であるはずだ。特に、この院内代表は、大宇自動車(今の韓国GM=ゼネラル・モーターズ)の溶接工出身で労働運動から政治家に転身し、与党の重鎮議員になった。

 民主労総はなぜ、こんな盟友の事務所を占拠したのか。

 最近、経営不振からGMが韓国の生産事業から撤退するという説が消えない。ここにきて、GMが研究部門を韓国法人から分離して米国本社直属の組織に転換した。

 これにより「研究部門だけ残して生産工場を閉鎖するのではないか」という危機感を労組が募らせていた。

 民主労総はすでに韓国GMの本社に乱入し、社長室を占拠して暴れる事件を起こしている。

 これだけでも、大変な話だが、それでもGMの態度が変わらないとみるや、矛先を地元選出の大物与党議員に向けた。

 「こんなに危機的状況になのに、選挙の時だけ協力を求めて、与党は肝心なときには何もしてくれないではないか!」

 これが事務所占拠の理由だ。自分たちの理由があれば、何でもする。