タブレットは販売台数の減少に加え、利幅も縮小傾向にあるため、小規模メーカーが開発の優先順位を下げたり、市場から撤退したりしている。これにより、上位5社への集約が進んでいるという。また、上位5社の中でも、トップ2社と3位以降の間には大きな差があるとIDCは指摘している。

 7~9月期のメーカー別出荷台数は1位から、アップル、韓国サムスン電子、米アマゾン・ドットコム、中国ファーウェイ(華為技術)、中国レノボ・グループ(聯想集団)の順。

 このうち、首位のアップルは970万台を出荷し、シェアは26.6%。サムスンの出荷台数は530万台で、シェアは14.6%。アマゾンは、それぞれ440万台と12.0%。

 これら3社の出荷台数は、いずれも前年同期から減少している。アップルは6.1%減、サムスンは11.4%減、アマゾンは0.4%減。タブレット市場が落ち込む中、アマゾンは7月に開催した大型セール「Prime Day」の販売が好調で、減少が小幅にとどまった。

iPadのプラス成長が止まる

 首位のアップルの数値は、同社が先ごろ公表した7~9月期の販売台数と一致する。

 iPadの販売台数は、2014年1~3月から2017年1~3月まで、13四半期連続で前年割れが続いた。その後、2017年4~6月に3年半ぶりにプラスに転じ、それから今年4~6月まで5四半期連続でプラス成長が続いた。しかし、この7~9月は再びマイナスに転じた。

 アップルは先ごろ、デタッチャブル型である「iPad Pro」の新モデルを発売した。米マイクロソフト、米グーグル、サムスンもそれぞれ新モデルを市場投入している。このことから、IDCは「10~12月期以降、少なくとも当面の間、デタッチャブル型に回復が見られるのではないか」と予測している。

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