(英エコノミスト誌 2018年11月10日号)

ユーロ圏の最大の弱点は歳出ではなく政治にある。

 ユーロの運命がイタリア次第になることは最初から分かっていた。

 国内総生産(GDP)が1兆6000億ユーロ(約1兆9000億ドル)を上回り、ユーロ圏全体の約15%を占める一方、債務残高が2兆3000億ユーロに近いイタリアは、欧州には処理できそうにないがさりとて避けることもできない困難をユーロに突きつける。

 新しい連立政権が欧州連合(EU)の財政ルールに勝負を挑んでいるため、事態はまさにクライマックスを迎えようとしている。

 両者の話し合いがまとまらなければ、大変なことになるかもしれない。

 しかしこれは、ユーロ圏が財政政策に対してこれまでより優れた、そして耐久性もあるアプローチを構築し始める機会でもある。

 ことの発端は今年の半ば、ルイジ・ディ・マイオ氏の率いるポピュリスト政党「五つ星運動」とマッテオ・サルビーニ氏の右派政党「北部同盟」が連立政権を樹立したことだった。

 両党はばらまき予算を約束していた。サルビーニ氏は大型減税、ディ・マイオ氏は最低所得保障(ベーシック・インカム)を導入するとそれぞれ語っていたのだ。

 そのような気前のよい政策を実行すれば、財政赤字がEUの安定成長協定で定められた限度(GDP比3%)を試す恐れがあるうえ、ユーロ圏のほかの財政ルールに違反することは確実だと思われる。