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イノベーション
2018.11.14

「MOOC」がライフシフト実現のカギとなる理由
IoT時代、<学習の動機と手法>が変わる

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 クリステンセンの主張をざっくり整理すると、以下のようになる。

(1)教育を改良するための「手法」として、「全ての生徒に対して1つの教授方式を用いる」ことを前提にした「持続的イノベーション」と、「一人ひとりの生徒が異なる学び方をする」ことを前提にする「破壊的イノベーション」の2タイプがある。

(2)後者(教育の個別化)を前提とした製品・サービスとしてコンピューターを利用した教育「方式」があるが、最初のうちは既存の教育ニーズ(ここではリアルの学校教育でのニーズ)を満たすことはできない。

(3)コンピューターを利用した教育「方式」がその力を発揮するためには、それを「一人ひとり異なる進度と異なるプロセスで学ぶ」という「無消費」(つまり初期のオンライン講座のように、お客さまが少ないニッチマーケット)への対応として、まず活用する必要がある。

「3ステージの人生」が当たり前だった時代、学校で教育を受けるエイジやステージは若い時期に固定されており、それゆえ教育の個別化は「無消費」に近い状態であって、大規模な活用ニーズはなかった。

 ところが、長寿化社会が顕在化し、「ライフシフト」を繰り返して「マルチステージの人生」を生き抜くことが多くの人々にとっても必然となった段階において、状況は一変する。

 さまざまのエイジやステージの人々によって、自らのキャリアの「リ・クリエーション(再創造)」という強い「動機」で形成されたマーケットが急に顕在化し、教育の個別化が「破壊的イノベーション」として表舞台に押し上げられた結果、教育の中心市場(リアルな大学教育の運営)にも影響を及ぼすようになったのである。

 近い将来には、MOOCで提供される教育の個別化は、AIを本格的に導入したアダプティブラーニングへと進化していくことは想像に難くない。

 IoT時代、<教育の動機と手法>が変わる。

 最後にあえて一言付け加えるとすると、テクノロジーは所詮、手段に過ぎず、「破壊的イノベーション」の背景にあってゲームルールを支配しているのは、厳然としてマーケティングであるという事実だ。

 クリステンセンの予言から10年の期間で成立した、MOOCと「ライフシフト」の、切っても切れない関係を考える時、マクロ・ミクロの環境変化を読み解き、発想の収束と拡散を繰り返しながら、中長期的な視点でモノゴトを考えるアプローチの大切さを再認識せざるを得ない。

JBPRESS

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