雇用政策、趣旨はわかるが、思いもよらない現実に直前

 ところが、政権が変わったとたんに「非正規職をなくせ」という指示が出た。

 あわてて、正規職の拡大に乗り出したが、いろいろな問題が出ている。

 「世襲雇用」もその大きな問題の1つだ。また、下請けの比率を下げるために下請け労働者を正規職の社員として採用しようと動きもある。

 だが、そうなると、下請け企業の経営者は、会社ごと失うことになり、「公企業に民業圧迫だ」という悲鳴も聞こえる。

 文在寅政権は、「雇用」を経済政策の最重要課題に掲げている。特に、「質の高い雇用の創出」を重視している。

 最低賃金の引き上げ、労働時間短縮もこの政策の一環だ。

 どれも、総論では国民の支持を得ているが、実際の運用となると様々な課題に直面している。

 最低賃金の大幅引き上げや、労働時間短縮で「質の高い雇用」を増やそうとしているが、中小、零細企業の経営者はコスト増加に耐えられず、従業員数を減らすなど期待とは逆の動きも目立つ。

 正規職への転換も、思いもよらない弊害が出てきた。