FRBは6月に続いて、9月26日にも FF金利の誘導目標は年2.00~2.25%に引き上げた。年内にさらに1回利上げをすることも明らかになった。

 「金利を引き上げなければ、資金流出など米韓金利逆転に問題が多く発生する」

 李洛淵首相はこう述べた。

イエレン前議長の懸念

 すでに証券市場などからの資金流出は始まっている。

 韓国の政府や金融機関、産業界にはトラウマがある。1997年に発生した通貨危機の際、ウォンが暴落して外貨が一気に流出してしまった。

 今の韓国は、分厚い外貨準備高があり、経済基盤も当時とは比較にならないほど強く、「通貨危機」が起きると見る専門家は韓国内には少ない。それでも、懸念は残る。

 「米中貿易摩擦の激化によって、韓国や台湾などは中国向けの中間財輸出が減少するという影響を受けるだろう」

 「韓国は、マクロ経済と財政が堅固で外貨保有高も厚い。それでも1997年のような突然の危機が全く起きないと保証することはできない」

 10月12日、韓国の「毎日経済新聞」のフォーラムに出席するために訪韓したイエレン前FRB議長は、講演とインタビューでこう語った。

 米韓金利逆転と米中貿易摩擦激化で、ウォン安、外貨流出という悪循環になることへの警戒感は根強い。